2021.02.21 06:13空気が読めなくてもそれでいい。細川貂々 水島 広子生きづらさの正体に気がついた作者が、精神科医と話すことで自分を知り社会適応への対処法を見つけていく私のクリニックにも発達障害を心配して受診する方が増えています。昨今の流行かADHDを心配して受診する方が多いのですが、そういう方の中にASDタイプを疑わせる方もいらっしゃいます。発達障害は主にASDタイプとADHDタイプに分かれます。この本はASDタイプについて詳しく描かれた本です。以前はアスペルガー、いまは自閉症スペクトラムと呼ばれる発達障害です。障害まで行かないグレーゾーンを含めた言い方として、非定型発達という言葉をこの本では用いています。自閉症スペクトラムは空気を読むことが苦手、という特性を持ちます。微妙なニュアンスや人の心の裏を読み取ることが得意で...
2021.02.21 06:10統合失調症を患ったお話 Himaco統合失調症の当事者が語る症状と治療について大切な「伝えたいこと」クリニックの本棚の一角に、精神疾患について書かれた本を集めています。苦しんでいるのは皆さんだけではない、1人ではないぞ、というメッセージを込めて当事者の方の本を並べることが多くなっています。ちなみに統合失調症は100人に1人の方がなる病気で、決して珍しくはない身近な病気です。この本の絵と文を書いたHimacoさんも統合失調症にかかりました。優しい絵柄と素朴な文章で綴られています。ページ数も多くなく、絵本なのですぐに読み終わることでしょう。ただ、発症して何が起こったのか分からずに不穏になる気持ちから、治療に目覚めて病識を獲得していくまでの経過が克明に描かれています。私は胸が苦しくなりました...
2021.02.21 06:05しらふで生きる 町田康断酒を通して考える、人間とは何か 大酒飲みが繰り広げる面白おかしい断酒記録30年間、毎日浴びるほどに酒を呑み、騒いではトラブルなどを起こし、しかし、それが本望と信じていた作家が突然に酒をやめた顛末について書かれた本です。元々、くどくどと屁理屈をこね続ける、と言うのが芸で、それが面白く、哀れで、カッコ良く、かっこ悪くという作家ですから、もちろん、酒をやめた理由についてもくどくどと屁理屈をこね続けております。作家はどういう心境で酒をやめようと思い、やめた後、どういう心境の変化が訪れたのか、落語のように可笑しい文体で、しかし克明に綴られています。酒についての話はやがて幸福についての話に及び、ついには人生についての話に至ります。考えてみれば、アルコール依存の...
2021.02.21 04:54失踪日記・アル中病棟失踪日記2 吾妻ひでおアルコール依存症から脱却しようともがいている全ての方々に寄り添い、応援したくなる書少し前に話題になりましたよねと思って購入しましたが、届いてみると初版は2005年でした。年をとるのは早いものです。作者であるギャグ漫画家の実体験を基にしたノンフィクション漫画です。続編のタイトルからもわかるようにアルコール依存症のお話ですね。しかし、ギャグ漫画家の作らしく、あくまで暗くなり過ぎず、ユーモアと客観性にあふれています。軽くさらさらと読めます。面白いです。が、それだけに隠された苦しみと不安が読後に押し寄せてきます。吾妻さんは食道癌ですでに亡くなられたそうですが、今作の後も断酒は続けられたそうです。作者はもちろん、アルコール依存症から脱却しようともがいている全ての...
2021.02.21 04:38ダイエット幻想 磯野真穂摂食障害の方はもちろん、現代社会に生きる全ての人々に向けられた本摂食障害に造詣の深い筆者の作だったので購入しました。しかし、読んでみると摂食障害の方はもちろん、現代社会に生きるづべての人々に向けられた本でした。個性的であれ、と言いながら、自由に振る舞うと、わがままだ、うざい、と疎まれる。周りからの評価に晒され、苦しんでいる全ての人々について書かれた本です。体重を気にしている方々にも、「食事を数字で考え始めたら要注意」など重要な助言がたくさんあります。ぜひ、お手にとって読んで見てください。第1章 やせせたいのか、やせたいと思わさせれているのか?第2章 人に認めてもらいたい第3章 かわいいの落とし穴ー「女の子」はいつまで続く第4章 シンデレラ体重第5章 愛...